板東三十三観音第2番札所。逗子の岩殿寺に行ってきました。

先日、神奈川県逗子市にある【岩殿寺(がんでんじ)】を訪れてきました。
坂東三十三観音霊場の第2番札所にも数えられる、歴史あるお寺です。

岩殿寺といえば紫陽花の名所として知られていますが、私が訪れた4月末は
まだ紫陽花の季節には早く、代わりに参道のツツジがとても綺麗に咲いていました。

岩殿寺の歴史
立派な山門

岩殿寺は奈良時代の721年(養老5年)に徳道上人が創建したと伝えられています。
徳道上人がこの地に下向した際に、十一面観世音菩薩と熊野権現が顕現し
そのお告げにより社を建てたのが始まりだそうです。

また鎌倉時代には源頼朝が平家討伐を祈願した場所でもあり
挙兵をした際には岩殿寺の十一面観音が手助けをしたという逸話もあります。

その後、源頼朝 やその家臣の 那須与一 によって坂東三十三観音霊場の巡礼が整備され
岩殿寺が鎌倉の杉本寺に続く第2番札所になったそうです。

泉 鏡花の句碑

近年では明治から昭和初期にかけて活躍した小説家
泉鏡花(いずみ きょうか)が晩年逗子に滞在し
岩殿寺にたびたび足を運んだと記録されています。

山門をくぐるとすぐ左手に泉鏡花の句碑が建っており
「普門品(ふもんぼん)ひねもす雨の桜かな」という句が刻まれています。

この歌碑は、住職や寺の檀家を中心に鎌倉文士の協力の下で
1956年に鏡花夫人により建てられたそうです。

山門に続く参道にもたくさんの句碑が並んでいます。

静寂に包まれる歴史ある古刹
八角形が美しい利生堂

階段を上り始めてすぐに、右手に変わった形の建造物が見えます。
扉の上には「利生堂」と書かれています。

「利生」とは、仏や菩薩が衆生に与える救済やご利益のことで
巡礼者が本堂(観音堂)へ向かう前に立ち寄って心を清めたり、願い事を唱える場所だそうです。

趣深い苔むした階段

岩殿寺には石段が20段、70段、30段と計120段あります。
苔むした様子が趣深く、ただ「古い」だけでなく長い時の流れを感じました。

さびさびとした今の階段も良いですが
もう少ししたら、階段の横の紫陽花が綺麗に咲いて
美しい景色が見れただろうと思いました。

十一面観音が祀られている観音堂

階段を上り切るとパッとひらけて観音堂が建っています。
歴史を感じさせる建物は丁寧に手入れされていて
華美ではないけど美しいと感じました。

観音堂の裏手にある奥の院

観音堂にお参りして裏に回ると奥の院があります。
手前の灯籠にちょこんと乗っている狛犬が可愛いです。

観音堂の右手にある熊野権現社

観音堂の右手には熊野権現社もありました。
小さな池の上に赤い手すりの可愛い橋がかかっています。

他にも岩殿寺には「稲荷明神社」「猿田彦神社」「子育て地蔵尊」「爪堀地蔵尊」
「慈母観音」「慈父観音」「蛇や蔵」など
小さな境内に見どころがたくさんあります。

まとめ

逗子に移住してきた時に、最初に薦められた逗子の名所が「岩殿寺」でした。

そのころは引っ越しや仕事に忙しく、行く機会がなかったのですが
小学校に上がった子供に「岩殿寺って知ってる」と聞かれ
急に行ってみたくなり散歩がてら訪れてみました。

紫陽花のシーズンではなかったせいか誰もいない静寂に包まれた岩殿寺でしたが
綺麗に手入れされた境内に、地元の方に愛されれる理由がわかった気がします。

紫陽花が咲いたらぜひまた見にきたいと思いました。


information

曹洞宗
本尊十一面観世音菩薩
開基徳道上人・行基菩薩
創立養老五年(721)
住所神奈川県逗子市久木5-7-11
TEL046-871-2268
駐車場無料
交通JR横須賀線「逗子駅」から徒歩22分
ホームページ坂東三十三観音公式サイト 海雲山-岩殿寺(岩殿観音)